二音一幕について
声とピアノで、ひとつの物語を。
「二音一幕」は、歌声とピアノで楽曲の情景や感情を静かに描く、音楽カバープロジェクトです。
同名のYouTubeチャンネルでは、Synthesizer Vによる歌声と、打ち込みで制作したピアノを組み合わせたカバー作品を公開しています。
懐かしさも、切なさも、優しさも。
一曲一曲を、小さな舞台のように表現し、聴き終えたあとに、そっと息をつけるような音楽を目指しています。
静かな音に、感情を宿す
大きな音より、深く残る音を
二音一幕が大切にしているのは、音の大きさで圧倒することではありません。
静かな瞬間と、感情が広がる瞬間。
言葉の端に残る吐息。
一音を弾き終えたあとに続く、ピアノの余韻。
音を必要以上に押し上げるのではなく、一曲の中にある小さな抑揚や呼吸を残すことで、楽曲が本来持っている情景を丁寧に届けることを目指しています。
声とピアノで描く一幕
歌声の設計
Synthesizer Vの歌声を、単なる音源ではなく、一曲を語る歌い手として捉えています。
発音、音素、ブレス、語尾、声色、抑揚、ビブラート。
同じ旋律でも、誰が、どのような気持ちで歌うかによって、伝わる情景は変わります。
楽曲の言葉と向き合いながら、その歌声だからこそ表現できる距離感や感情を探しています。
ピアノの設計
ピアノは、歌を支えるだけの伴奏ではありません。
歌声と呼吸を合わせながら、一音ごとの強さ、長さ、タイミングを調整し、言葉の裏側にある感情を描いていきます。
既成の演奏データには頼らず、楽譜をもとに一音ずつ入力し、それぞれの作品に合ったピアノを組み立てています。
音の広がりと余韻
EQやリバーブ、音量の変化、歌声とピアノの距離感。
目立つ音を増やすのではなく、必要な音が自然に届く空間を整えています。
LUFS、PLR、LRAなどの測定値も確認しますが、数値そのものを正解とは考えていません。
最後に判断するのは、長く聴いても疲れず、その曲の中へ静かに入っていけるかどうかです。
音へ集中できる映像
映像は、一枚絵とタイポグラフィを中心に構成しています。
情報を詰め込むのではなく、歌声とピアノの情景を邪魔しないこと。
作品の世界に静かに寄り添い、音へ自然と耳を傾けられる画面づくりを大切にしています。
制作記録について
一つの作品が完成するまでには、歌声やピアノの入力だけでなく、発音、強弱、音響、映像など、数多くの選択があります。
本サイトでは、完成した作品の紹介だけでなく、
- 歌声や発音をどのように調整したのか
- ピアノにどのような強弱を与えたのか
- 音の距離感や余韻をどのように設計したのか
- なぜその歌声で、その曲を表現したのか
といった制作の背景も、制作記録として公開しています。
正解を示すためではなく、一つの作品がどのような考えや試行錯誤から生まれたのかを残すこと。
それが、二音一幕の制作記録です。
おわりに
音は、派手であるほど心に残るとは限りません。
静かな歌声だからこそ届く想いがあり、控えめなピアノだからこそ生まれる余韻があります。
二音一幕は、声とピアノという二つの音で、一曲ごとに小さな物語を描き続けます。
もし作品や制作記録を通して、その一幕を感じていただけたなら幸いです。